2021年11月21日 23:10
日本初公開作品も! ヴィデオ・アートの先駆者・久保田成子、没後初の大規模個展
との関わりなど、これまで知られてこなかった交友関係にもフォーカス。さらに見逃せないのはマルセル・デュシャンとの出会いから誕生した作品「デュシャンピアナ」シリーズを集めた部屋。デュシャンへの敬意と、その想いを糧に新境地を開拓しようとする久保田の挑戦を、肌で感じることができる。
晩年は脳梗塞で下半身不随となった夫をテーマに作品を生み出した。人との関わりが創作へと繋がってきた彼女の映像からは、その視線の奥にあったものを感じられるはずだ。
色鮮やかな日本初公開作品
《スケート選手》1991‐92年久保田成子ヴィデオ・アート財団蔵(新潟県立近代美術館での展示風景、2021年)撮影:吉原悠博
1992年のアルベールビル五輪で銀メダルを獲得した伊藤みどりがモデルの作品《スケート選手》。回転するスケーターに向けて投影される映像がリンク上の鏡に反射し、色とりどりの光を放つ。
《韓国の墓》1993年久保田成子ヴィデオ・アート財団蔵(新潟県立近代美術館での展示風景、2021年)撮影:吉原悠博
韓国の墳墓のフォルムを模した半球形の彫刻の上にちりばめられたモニターから映像が流れる。
マルセル・デュシャンへの憧れ
《デュシャンピアナ:階段を降りる裸体》1975‐76/83年富山県美術館蔵(新潟県立近代美術館での展示風景、2021年)