2021年12月31日 21:00
『ガラスの仮面』美内すずえ、長期連載ゆえの悩みとは?
仇討ち以降、亜弓さんの人気は高まるばかり。
『ガラスの仮面』は、ルックスは平凡ながら天才肌の北島マヤと、恵まれた環境に美しい容姿を持つ姫川亜弓、演劇を志す2人の女優の物語です。作者としてはどのキャラクターも好きで、誰を描いても楽しいのですが、どちらかというと私はマヤのボケボケした感じと重なるところがあるので、ライバルである亜弓さんは、まったく別人格のキャラにしたんです。なので、キリッと凛々しい亜弓さんを描くのはマヤを描くのとは別の楽しさがありますね。そういえば、マヤを陥れた乙部のりえに亜弓さんが仇討ちをする『カーミラの肖像』のエピソードを描いたあと、亜弓さんのファンが一気に増えてしまい、主人公であるマヤの人気を回復しなきゃ!と焦ったこともありました(笑)。最近でも、作品を読んでくれている大人に聞くと、亜弓さんの人気が高いんですよね。今を生きる人たちには、実は努力家で一生懸命生きている亜弓さんの姿勢が響くのかもしれません。
みうち・すずえマンガ家。
1951年生まれ、大阪府出身。’67年デビュー。代表作に『妖鬼妃伝』『ガラスの仮面』など。公式サイト「オリーブの葉っぱ」内のキャラクターインタビューは必読。