2022年2月23日 20:20
団地解体で立てこもる青年…タイムリミットが迫るなかで見つけた最後の希望【映画】
すべての登場人物に自分たちが反映されている
―ちなみに、監督たち自身を投影しているようなキャラクターもいますか?
リアタール監督そうですね。いつも私たちの一部がすべての登場人物に反映されていると言ってもいいのではないでしょうか。今回でいうと、特にユーリとディアナがそれにあたりますが、特殊な世界観を持っている2人は私たちがなりたいと思う人物でもあります。ユーリのように子どもの時代からの夢を大人になっても持っているようなところは素晴らしいですし、本当に大好きなキャラクターです。
―キャスティングが決まったあと、ユーリ役のアルセニさんのお父さんが実はガガーリン団地に住んでいたことが発覚するという不思議な偶然もあったようですね。ほかにも撮影中の印象的な出来事があれば教えてください。
トルイユ監督アルセニの父親がセネガルからパリに出て、最初に住んでいたのがガガーリン団地であると気がついたときは感動しましたね。あと、団地にとっても僕たちの映画にとっても重要な人物として忘れたくないのは、イベット・テナールという女性との出会い。
彼女は団地に暮らす人々の言葉を集め、それを演劇として表現するということを何十年にもわたって続けていた人でした。