くらし情報『藤原季節「役を演じることで、日常の仮面をふわっと剥ぎ捨てることができて快感」』

2022年3月12日 20:10

藤原季節「役を演じることで、日常の仮面をふわっと剥ぎ捨てることができて快感」

――いつ頃から心の穴の存在に気づいていたんですか?

特別なことがあったわけではないんですが、小学生の頃から感じてました。その穴は他者には埋められないことにも気づいていて。昼休みにどこにいていいのかわからなくて、とりあえず図書室にいるみたいな、居場所のなさをずっと感じてたんですけど、カメラの前だけは自分の居場所が担保されていて、そこでは生きていると感じられるんです。僕にとって演じることが、自分の穴や傷について考え続けるための大切な行為のひとつになっていますね。僕はまとまった時間が取れると一人で旅して、三重から京都までとか、ひたすら歩くんですけど、その間も穴を見つめていますね。あと、本を読みながら自分にはわからなかった感情の正体に気づいて感動することもあります。

――どんな本を読むんですか?

中村文則さんは全部読んでますし、西加奈子さんも読みますが、村上龍さんや村上春樹さん、さらにさかのぼって太宰治や宮沢賢治とか、古い本のほうが多いですね。古本屋さんは心が落ち着くんです。
1~2時間かけて、100円のラックから、誰も読まなそうな本を見つける時間が幸せですね。本はどんどん増えていくので、引っ越しの時に断腸の思いで整理して、残った本が一軍(笑)。

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