2022年4月4日 20:10
中村佳穂「対話が創作の根底、ひいては私の人生の糧になっている」 3rdアルバム発売
けど、相手ももしかしたらSOSを出しているんじゃないか、と。相手に理解してほしいと合図を出すことって、モールス信号やホタルの光と似ているなと思って。そこからこのタイトルをつけました。『クレール』ってフランス語で『光』という意味があるんです」
君島大空さんと西田修大さんがギタリストとして参加した「Hank」では、息の合ったガットギターの静寂な音色と一編の詩のような幻想的なイメージが優しく溶け合う。心の渇きも癒す美しい楽曲である。
「西田くんから『いいコードがあるから佳穂ちゃんがメロディを乗せてほしい』と言ってもらって。離れた場所に暮らしているので何度かオンラインでやり取りしながら曲ができた感じです。ギターのコードを聴いてうたが導かれたようなところがありますね。
だからどこか日本の詩のような、温かな手ざわりがあるのかもしれません」
“閃きという原石”をひとりで、そして仲間と磨き上げていく――。そうした営みの楽しさは「何気ない日常にも転がっている」。そんな希望を彼女が差し出してくれた気がした。
3rdアルバム『NIA』発売中。初回限定盤には「東京国際フォーラム ホールA」でのライブの模様を一部収録。