2022年8月6日 18:00
塩野瑛久、深夜アニメに求めるのは「目の保養、現実逃避、興奮」 オススメ3作品
お父さんのロイド・フォージャーが、眠っている娘のアーニャを抱えているシーンが予告にあったのですが、アーニャのよだれが垂れて、それが服に付いてシミになる瞬間が描かれていたんです。多分それはマンガには描かれていないシーンだろうし、あそこまでリアルに描写しなくてもいいのに、そこまでやる制作会社の熱量にグッときたんです。原作がベースになっているアニメも、原作にないコマとコマの間に新たなコマを挿入して、物語の世界観を底上げするような工夫が凝らされていると感動しますね。アニメはジャンルによっても注目ポイントは変わるんですが、たとえば会話劇ならば、テンポの良さやそのやり取りに引き込んでいくために、一枚一枚のカットで心の機微を丁寧に紡いでいるものだったり。戦闘ものならば、武器を振りかざす瞬間からありえないくらい腕が後方に伸びて、顔がアップになって、そこから武器がしなるように前に出てきたり!と、小気味のいいコマ割りで迫力やスピード感を感じられるものだったりします。二次元ならではの美しさや三次元では成し得ないカメラワークを用いていて、アニメーションに落とし込んでいるものに、ヤバさを感じます。
――すごく作り手目線でアニメを見られているんですね!
塩野:だって僕らは三次元の世界に生きているから、こぶしをぎゅっと握ったり、唇をきゅっと噛むのは、脳から信号を送れば一瞬でできてしまう。