2022年10月5日 19:30
高橋優「手放しに今の世の中を素晴らしいと歌おうとは思わなかった」 8thアルバム発表
僕はまっすぐにラブ&ピースを歌える人を眩しいと感じるタイプ。戦争していない人類を知らないし、クラス内でいじめもありました。手放しに今の世の中を素晴らしいと歌おうとは思わなかった」
特にアルバムに入れたいと強くプッシュしたのが「雪の筆跡」。雄弁なアコギの旋律とともに、市井を生きる人々の生き様を歌った楽曲だ。
「レギュラーラジオ番組の中で、手書きの手紙を見る機会があったんです。僕は文字を消した跡が残ってるお手紙が好きなのですが、今は手書きが少なくなったこともあって、綺麗になったものをみんな見ているなあと。あと僕は秋田出身で、雪が降ると白銀世界といわれたりと美しい景色を浮かべることも多いと思うんですが、人間が生活している場所の雪は時間が経つとともに踏まれて汚くなっていく。人間が生きてる証しっていうのは、雪景色でいうと汚しにあるのかなって。
人が生きてることを美化する必要もないかなと思って書きました」
生々しく社会の今を歌うシンガーソングライターとしての存在感を高める高橋さん。今作から楽曲の作り方に変化があったそう。「これまでは作詞作曲をしてそれを録音するというアナログなデモ作りをしていたんですが、アレンジ部分もできるだけ自分でやろうと思って機材も増やしました。