2022年11月5日 18:30
過去500年で最悪の状況!? 異常気象による“干ばつ”がもたらす危険性とは
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「干ばつ」です。
干ばつを機に広がる紛争。世界に関わる問題。
世界で異常気象が広がっています。日本や台湾が台風や大雨の被害を受ける一方で、アメリカやヨーロッパではこの夏、熱波が続き、干ばつが深刻な状況に。8月に欧州委員会の欧州干ばつ観測所は、欧州の6割以上の地域が干ばつの危険にさらされており、渇水状況は、過去500年で最悪と発表しました。アメリカではカリフォルニア州や中西部で干ばつが発生。
中国は長江流域を中心に干ばつが続き、山火事も相次いで起こりました。アフリカの干ばつも拡大しており、西アフリカでは、干ばつと紛争により過去最悪の食料危機にさらされています。
干ばつにより水が枯れてしまうと、農作物が生産できず飢餓に陥ります。人々の暮らしが貧しくなれば、奪い合いが始まり紛争が広がります。すると、世界中の武器がそういう場所に集中し、武装勢力が活動を活発化させるために、拠点を置くようになります。
西アフリカのブルキナファソは、比較的治安の安定していた国でした。ところが、気候変動により水がめが枯渇し、貧しさから紛争当事国に変わってしまいました。