くらし情報『青羽悠「制約を設けず自由に書いてみることにした」 物語の力を感じる新作小説』

2022年11月29日 20:00

青羽悠「制約を設けず自由に書いてみることにした」 物語の力を感じる新作小説

「文明の興亡を考え始めたら自分でも驚くほど話が広がって、僕はこういう話が好きなんだと気づきました。大きな流れの中で状況が移り変わる様子って、物語的な面白さがある。今の社会と地続きの人間関係や人の感情以外の面白さをストーリーに落とし込めた気がします。ただ、人の感情が動いて物語の山場とぶつかるという構造は、これまで書いてきた小説と変わらないと思います。それにもちろん、物語として楽しめるもの、納得のある展開になるよう設計しました。たとえば〈木〉は時代を貫くシンボルですが、後半におやっと思ってもらえたら」

巨大な〈木〉には、実は意外な秘密が。さらに、各章の最初のページに掲載された奇妙なデータも気になるところで、終盤に明かされる真実に、はっとさせられる。

宗教、権力、科学など時代ごとに人々が何を心の拠りどころにしているかも見えてくる本作。


「人々がすがるもの、というのはテーマとしてありました。意図的にしろ無自覚にしろ、時代ごとの“フィクション”に乗っかっている人たちを自分は書きたかったのかもしれない、と最後のほうで気づきました」
本作を書いたことで、「ひとつ出し切った」感があるという青羽さん。

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