くらし情報『青羽悠「制約を設けず自由に書いてみることにした」 物語の力を感じる新作小説』

2022年11月29日 20:00

青羽悠「制約を設けず自由に書いてみることにした」 物語の力を感じる新作小説

2016年、16歳で作家デビューして6年。現在大学院生の青羽悠さんが新作『幾千年の声を聞く』を上梓した。これまでは現実社会を舞台にした作品を発表してきたが、本作はタイトルからも想像できるように、幾千年にもわたる時間の流れの中での、人々の営みを描く壮大な作品だ。
青羽悠「制約を設けず自由に書いてみることにした」 物語の力を感じる新作小説


「これまで自分の成長段階に合わせた現実社会の話を書いてきましたが、このままでは限界がくるという危機感がありました。今僕に足りないものは“フィクション”を書く力だと考え、一回、制約を設けず自由に書いてみることにしたんです。そうしたら宇宙とか国とか旅とか…大きなテーマが出てきました」

舞台は架空の世界。山間にあるその土地には巨大な〈木〉が聳(そび)え立っている。流れ星が落ちた場所に生えたという伝説を持つその〈木〉は、枝の上に街が作られるほど巨大だ。
章が進むごとに数百年以上の時が進み、宗教の誕生、科学の進歩、他国との争い、政治的な混乱といった時代の変化が浮かび上がる。各章の主人公も村の少女、学者、旅人などと変わり、ひとりひとりの物語でも十分に読ませるが、全体を通し、彼らの思いや決断が、次の時代に何をもたらしているのかが見えてくる作りも巧みだ。

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