江原啓之「答えは富士山にある」 混迷の時代を生き抜くためのヒントを伝授
古くから日本人は「富士のお山に見守られている」という気持ちを大切にしてきました。だからこそ富士山が見えるところではもちろん、遠く離れたところにいても、お山、ひいては自然への感謝と畏怖の念を持ち、そっと手を合わせていたのです。それが富士山信仰であり、日本人のたましいに受け継がれる思いです。
今の私たちはどうでしょうか。畏れ、敬い、感謝を忘れ、傲慢になってはいないかと、自分に問いかけてみてください。その気づきこそが、時代を生き抜く大切な道しるべです。
富士山が教えてくれる「孤高」「自律」「俯瞰」。
富士山は人のあるべき姿、今の私たちにとって大切なものを教えてくれています。
そのことを「孤高」「自律」「俯瞰」という3つのワードでお話ししていきましょう。
1つめのワードは孤高です。富士山は日本一のお山。高くそびえる姿には凛とした崇高さがあります。かつては噴火を繰り返し、人を寄せ付けない荒ぶる山でした。今も修行の場として登る修験道の行者がいるように、危険が伴う山です。一方で、遠くから望む富士山は美しい稜線を持ち、そのたたずまいに静けさを感じる人もいる。凛とたたずみ、何ごとにも動じず、静寂のなかで孤高に生きる強さを、富士山はいつも示してくれているのです。