江原啓之「答えは富士山にある」 混迷の時代を生き抜くためのヒントを伝授
2つめは自律。自律とは自分で自分を律することです。「お山に見守られている」とは、「いつだってお山が自分を見ている」ことでもあります。もう「誰も見ていないからいいや」とは思わなくなるでしょう。おのずと自律に導かれます。
3つめは俯瞰です。山の頂上から見る眺めを想像してみて。雄大な景色のなかでは、自分自身がちっぽけな存在だと気づくでしょう。
思い悩んでいることがささいなことにすぎないと俯瞰し、また歩き出せるはずです。もちろん実際に、富士山へ登らなくてもいいのです。近場の山や、高いビルなど見晴らしのいいところに登ることで俯瞰のトレーニングはできますし、想像力を働かせてみてください。大切なのは視点を変える、俯瞰するという術を持ち、自らで道を切り拓くことです。
富士山への畏敬の念は遙拝(ようはい)という形で今も続く。
今回、私は富士山をご神体とする河口浅間神社を訪れました。この神社には古くからの富士山信仰を体現する遙拝、修験、登拝という要素が揃っています。
なかでも遙拝は富士信仰の原型。
富士山遙拝所【天空の鳥居】は、小高い丘に建てられた鳥居の向こうにご神体である富士山を仰ぎ見ながら参拝する場所です。