くらし情報『吉原に生きる人々の人生模様に胸打たれる…仇討ち時代ミステリー小説』

吉原に生きる人々の人生模様に胸打たれる…仇討ち時代ミステリー小説

ときは文化12年、町人文化が花開くころ。江戸木挽町の芝居小屋のそばで、ある惨劇が起きる。雪が降る夜、女に扮した若衆・菊之助が仇討ちを成し遂げて宵闇に消えたのだ。それから2年後、菊之助の縁者だと名乗る侍が〈森田座〉の関係者を訪ね歩く形で、物語は進む。永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』は、時代ミステリー×人情ドラマの極上エンターテインメントだ。

新作歌舞伎にしてほしい!艶やかな仇討ちエンターテインメント。
吉原に生きる人々の人生模様に胸打たれる…仇討ち時代ミステリー小説


「歌舞伎を土台にしたミステリーは役者を中心に描かれることが多いのですが、私はずっと舞台裏の話を書いてみたいと思っていました。それが、本書の仕掛けにもうまくハマると思ったんですよね」

語りを務めるのは、仇討ちの一部始終を目撃したという面々だ。
木戸芸者の一八(いっぱち)、立師(たてし)の与三郎、衣装係で女形のほたる、小道具職人の久蔵と妻のおよね、戯作者の篠田金治…、エピソードの数々をリレー形式で聞くうちに、読者の中では次第にある疑問が膨れ上がる。菊之助は、心の底では仇討ちを望んでいなかったのではないか。その理由は何か。にもかかわらず、決行したのはなぜか。

「事件をめぐり、それぞれがどう関わり、何をどのぐらい明かしていくかについてはバランスを見ながら考えました。

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