くらし情報『家一軒買えるほど! 財閥の女性たちに愛された「超高級おひなさま」全貌公開』

家一軒買えるほど! 財閥の女性たちに愛された「超高級おひなさま」全貌公開

まずは、段飾りで展示されている《銀製ひな道具》。旧富山藩主前田家から三井家に嫁がれた三井苞子(もとこ)氏の旧蔵品です。

ひな道具とは、おひなさまが生活するのに必要な化粧道具や茶道具、文房具などの道具一式のことで、婚礼調度のミニチュア版です。かわいいのはもちろん、近くで見ると線刻で細かな文様が入っていて、ひとつひとつがとても優美に仕上げられています。

このような銀製のひな道具は大変高額で、ほかに所有しているのは徳川宗家や公家の近衛家、大名の鍋島家など錚々たる名家ばかり。そんな貴重な品を間近で見られるなんて、ありがたいことです。

初期のおひなさまは…

家一軒買えるほど! 財閥の女性たちに愛された「超高級おひなさま」全貌公開


『三井家のおひなさま』展示風景

続いての見どころは、《立雛》です。本作品について、三井記念美術館の学芸員、小林祐子さんは次のように解説しています。


小林さん最初期のおひなさまは、立った姿で着物は紙や布でつくられた素朴な姿でした。雄雛のほうは、神社のおはらいのときに使われる形代(かたしろ)に似ています。本作品は江戸時代後期のもので、衣装に描かれているモチーフにも意味があります。松は男性、藤は女性、その下に描かれているナデシコは子どもを象徴し、子孫繫栄の願いが込められています。

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