甲斐翔真×古屋敬多「『RENT』って、やっている僕らも毎回感動しながらやってるんです」
それは『RENT』っていう作品の力なのかなとも思ってるんだけど。
甲斐:たぶん本来は僕の方が人見知りだと思うんですけど、普段からのお互いの距離感が影響する作品な気がするんですよね。お互いを信頼して弱みを見せ合って、想いを共有することで、2幕最初の全員で歌う「Seasons of Love」のパワーが無限に広がっていく感じがするというか。だからこの現場では、意識的に人との距離を詰めていくようにしてるんです。
古屋:話しかけやすい雰囲気がありますよね。柔らかいというか。でもこの現場ではみんな、おのおのがありのままの自分でいる感じがします。
甲斐:へんに気を遣わない(笑)。
古屋:それも自然に受け入れて愛で包みたいと思えるのは、この作品だからなんだろうと思っています。
――ロジャーは、HIVに感染したことを悲観した恋人が自ら命を絶って以来、部屋に引きこもって人との交流を断っているキャラクターです。おふたりはこの役をどう考えて演じようと思われていますか?
甲斐:ロジャー自身も感染者で、彼女の死とは無関係ではないわけで、後追いすることを考えたりもしたと思うんです。ただ、引きこもって半年が経ったとき、なぜロジャーがギターを手に取ったのかをすごく考えていて。