茅島成美「私のこの顔は、私の人生の積み重ね」“年相応でありたい”と思うようになったワケ
人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。80歳を迎えても、出演依頼が途切れない俳優・茅島成美さん。声がかかり続ける理由をご自身はどう考えているの?そして、読者世代に伝えたいことを話してくれました。第4回目をお届けします。
“年相応”であることが、実は大事なんだと思います。
50歳くらいのとき、ある有名な監督さんに、「茅島さんは、そのままの外見でいてね」と声をかけられたことがあって。頬のたるみなど、加齢を感じ始めていた頃だったから、正直「えー?!」という感じだったんですが、その方が「年齢を重ねてこの仕事をするならば、年相応であることはとても大事」と言ったのが、すごく頭に残っていて。
年を取るって、正直いいことばかりではありません。
足腰は重くなるし、膝は痛いし、気持ち的にもフットワークが重くなる。外見だって、若いときに比べれば当然衰えてきます。誰だって醜くなるのはいやよね。でも、私のこの顔は、私の人生の積み重ね。今の私の顔だからこそキャスティングしてくれる人がいるんです。なのであるときから、“年相応でありたい”と思うようになりました。そのおかげか、私は長い間、年相応の女性の役をいただけています。