ファッション業界の知られざる現実…注目の映画監督が感じた「驚きの裏側」とは?
そこで、見どころについてこちらの方にお話をうかがってきました。
三宅流監督
これまでにさまざまなドキュメンタリー映画を手がけ、伝統芸能をテーマにコミュニケーションと身体のありようを追求し続けてきた三宅監督。今回は、matohuの魅力やファッション業界の裏にある苦労、そして映画にかける思いなどについて語っていただきました。
―matohuのおふたりと出会ったのは、2015年に発表した『躍る旅人−能楽師・津村禮次郎の肖像』の制作時ということですが、最初の印象はいかがでしたか?
監督はじめは、驚きが大きかったと思います。能のような伝統的な古典の世界に現代のファッションデザイナーが作った衣装が一緒にスタイリングされることはほとんどありませんから。なので、「こういう人たちがいるんだな」ということと、彼らが創り出す服が能の衣装に負けていない強さに対して純粋な驚きがありました。―そこから映画にしたいと思ったのは、なぜでしょうか。
監督最近は、ファッションのドキュメンタリーもけっこう作られていますが、そういう作品は人物にフォーカスしているものが多いように感じていました。
ただ、僕としては、彼らのことを知るうえで、まず彼らがどんなことを思考しているのかを紐解きたいなと思いました。