ファッション業界の知られざる現実…注目の映画監督が感じた「驚きの裏側」とは?
たとえば、陶芸だったら同じ1年でも徐々に1つの作品ができあがっていくので、わかりやすいですよね?
でも、ファッションの場合、コレクションごとに同時進行で何着も作っていて、撮影に行くたびに違うことをしているので、点と点が線としてつながらない。そういったこともあって捉えるのが難しかったというか、どういうふうに映画にすればいいのかという答えがすぐには見えませんでした。
―そこで何か突破口になったような出来事があったのでしょうか。
監督シーズンの制作過程とファッションショー当日の映像だけでも、それなりのものにはなったかもしれません。でも、それではドキュメンタリーとしてしっかりとしたものにできないと感じていたんです。そんなときに彼らの考えが可視化されている展覧会を目の前にして、どうしたらいいかわからなかったことも見えてきたので、そこから再解釈と再構築をしていきました。
ファッション業界では、びっくりすることもあった
―ちなみに、撮影を進めるなかで、matohuのおふたりから映画に関して要望を受けるようなこともありましたか?
監督そういったことは、特にありませんでした。たとえば、本編にもあるちょっとケンカのように論争を繰り広げているシーン。