構想10年以上! モンゴル帝国を揺るがす女性たちを描く『天幕のジャードゥーガル』が話題
「このマンガがすごい!2023」オンナ編第1位を獲得するなど各賞を受賞し、話題を集めているトマトスープさんの『天幕のジャードゥーガル』。13世紀、世界に名を轟かせたモンゴル帝国が舞台なのだが、構想はなんと10年以上。
「学生の頃、世界史に興味を持ち始めたのですが、モンゴルって大草原の勇壮なイメージがありますよね。だけど国の仕組みや遊牧民の暮らしなどを調べていくと、先入観が覆されてどんどん好きになり、趣味で調べる時間が長く続いていたんです」
そしていよいよマンガにする段になって焦点を当てたのが、後宮、つまり女性たちの生き様だった。
「当初は歴史上、より有名なドレゲネ(チンギス・カンの三男オゴタイの第6妃)を主人公にするつもりでしたが、モンゴル帝国はスケールが大きいので動きのある人物がいいと思いました。それと私自身、イスラムの歴史も好きなので、そっちの世界から来た人を、と考えたのです」
シタラ、後のファーティマ・ハトゥンは、当時世界最高レベルの医療技術や科学知識を誇ったイラン出身。1巻は、奴隷でありながら高い教養を身につけたファーティマが、モンゴル帝国の捕虜となり後宮に仕えることになる、いわば序章にあたる。