明治時代の斬新ヌード画も! 重要文化財の「意外な秘密」が明かされる展覧会
そのうちの51件が本展で見られるので、かなり貴重な展覧会だといえそうです。
どうしてこの作品が重要文化財に…?
萬鉄五郎《裸体美人》1912(明治45)年重要文化財東京国立近代美術館蔵(通期展示)
本展を担当された東京国立近代美術館副館長の大谷省吾さんは、「重要文化財だからすばらしい、という受け身の視点ではなく、どうしてこれが重要文化財に指定されたのだろう?という視点から作品を見ていただきたい」とコメント。
さらに、重要文化財の指定に関する「秘密」のひとつを教えてくれました。
大谷さん萬鉄五郎の《裸体美人》は現代になってから評価された作品です。萬は東京美術学校時代、最初は優等生でしたが、卒業制作で本作品を描いて指導教官たちを驚かせ、成績も19人のうち16番目になったと伝わっています。
当時は斬新すぎた作品でしたが、時代を経て「新しい時代を切り開いた作品」として認められ、2000年に重要文化財として指定されました。
最短で44年!
横山大観《生々流転》1923年(大正12年)重要文化財東京国立近代美術館蔵(通期展示)
本展の作品はオール重要文化財なので、すべてが見どころですが、なかでも目を引くのが会場に入ってすぐの細長い展示室で紹介されている横山大観の《生々流転》。