『変な絵』が33万部突破! ホラー作家・雨穴が明かす“ぞっとするもの”の書き方
――今作はミステリーであり、母性もテーマになっているとか。
母性は誰しもに芽生える可能性があるものだと思っていまして。私はずっとウサギを飼っていて、誰かに傷つけられたら相手を攻撃してしまうんじゃないかという怖さがあるんです。“大切な存在のため”と大義名分が生まれることで、誰かを傷つけてしまう、母性が悪い方向へいってしまった時の感情を書きたいと思いました。
――図解がたくさん入っていてスムーズに読めることも、雨穴さんの作品の魅力かと思います。
たとえば教科書の文章を読んでいて、「この内容は図35を参照」と書いてあるのに、ページの中に図35がなく、戻らなきゃいけなくて読みづらいことがあると思うんです。教科書であればいいかもしれないですが、エンタメの場合、ちょっとでも読者に負担がかかってしまうと読まなくていい原因になるのかなと。記事と文章の間に図解を挟んでいく考え方は完全にウェブ記事の書き方と同じで、それを小説というフォーマットに落とし込もうというのは、1作目からずっと意識していたことです。
――動画の場合はいかがでしょう。
最初にウェブ記事を原作として書いてから動画にするという工程で1~2か月ほどで作ります。