『変な絵』が33万部突破! ホラー作家・雨穴が明かす“ぞっとするもの”の書き方
記事も動画もすべて無料で公開しているのですが、「無料」というのは多くの方にアピールできる半面、最後まで見てもらうのが難しい、というネックがあります。特に動画は、面白くなければ最初の10秒で切られてしまうようなシビアな世界です。ですので、インターネットで公開する作品は最初から最後まで飽きさせない工夫をしています。例えるなら、尻尾まであんこたっぷりの鯛焼きのような感じです。
――『変な絵』に登場するブログが実際にネット上に公開されているなど、雨穴さんの作品は現実世界と地続きになっているようなリアルさが読者を引き込む一因に。どんな工夫をされていますか?
ミステリーは筋書きが一番大切ではあるんですけど、それだと段取り芝居のようになり、ちょっと作り物みたいになってしまうところがありまして。そうならないように、登場人物を作った時に、“こういう行動をとってくれたら物語的にはスムーズだけど、この人はそうはしない”“でも、それだとミステリーとして成立しない”という2つの間の、ちょうどリアルな登場人物の動きに気を配ることを心がけています。
――見る人をぞっとさせるという点ではいかがですか?
たとえば、“助けを求める人が書いた手紙”を作る時は、実際に監禁されて閉じ込められて苦しんでいる人がどういう文字を書くかという部分を一生懸命考えることを大事にしています。