木村多江「背負い投げされた気分」穏やかな俳優が思わず興奮した展覧会
例えば、今回の展覧会で見られる鎌倉時代の《二天王立像》も、あんな大きな仏像を寄木でどうやってつくったのだろうか、とびっくりします。今のようにデジタル技術がない時代、全体像をどのように考えてつくっていくのか、想像するとすごく興奮しちゃいます(笑)。
こんなにすごい作品が日本にあるんだよ、と私はみなさんに言いたいです(笑)。昔はどんなふうにつくったのか、どんな人がつくったのか、と想像しながら見ていただきたいですね。
――木村さんご自身にとって、美術に触れることで何か影響はありますか?
木村さんお芝居は、アウトプットのことが多いので、美術展に行っていろいろ拝見すると、作者の精神や魂に触れられる気がして、それがインプットになり、自分を鼓舞することにもなります。
想像力が膨らむような感動を、見ている人に与えることができる美術作品に触れると、私もそうなりたいと目指すものができます。美しいものやびっくりする作品を見ると、刺激になり、活力にもなります。
背負い投げされた気分です(笑)
――最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします。
木村さんこの展覧会は、今まで抱いていた禅宗美術のイメージを覆されて、背負い投げされた気分です(笑)。