村田沙耶香や川上未映子も。日本人女性作家が英語圏で爆発的人気を獲得する理由とは
1980円(毎日新聞出版)
女性性や評価主義に一石を投じる。
『我が友、スミス』石田夏穂
会社員・U野は、ジムで自己流の筋トレに励んでいたところ、ボディ・ビル大会への出場を勧められて本格的に取り組むことに。しかし、大会で結果を残すには筋肉だけでなく「女らしさ」を求められると知った彼女がとった行動とは…。1540円(集英社)
痛快なラップバトルで綴る家族の愛。
『レペゼン母』宇野 碧
和歌山で梅農家を営む明子は、借金まみれのダメ息子・雄大が悩みのタネ。ある日、彼がラップバトルの大会に出場すると知り、明子は「最後のチャンス」とばかりにマイクを握る。素直になれない親子はこれまでの思いをぶつけ合って――。1540円(講談社)
家族的なつながり、ジェンダー、貧困など、世相や社会課題を反映した小説が全盛の時代。それゆえ直球すぎる作品には、「やや食傷気味」。
「SNSでもみんなが主張し、お腹いっぱいのテーマだからこそ、フィクションでは斬新なアプローチや緻密なプロット、仕掛けが重要。まっすぐ語られるより、思わぬところから自分が知っている感情が浮き上がってくる方が腹落ちの仕方が違うんです」(吉田さん)