くらし情報『役所広司「若い才能を育てることが、将来的に日本映画が世界へ羽ばたくことの近道」』

役所広司「若い才能を育てることが、将来的に日本映画が世界へ羽ばたくことの近道」

でも撮り続けていかないと時代劇を作れるスタッフはいなくなるし、演じられる俳優も育たない。目の前の利益だけでなく、映画界の未来を考えられるプロデューサーに出てきてほしいですね。『ちょっとチャレンジングな企画だけど、これやろうよ』と言える人。そこに日本映画の今後がかかっているんじゃないかな」

映画は、監督や俳優、脚本家だけでなく、照明、衣装、美術など、さまざまなスタッフの職人芸が集まって初めて一本の作品になる、と役所さん。

「かつての僕は、自分が出演した映画を観たときに、セリフがとても聞き取りやすかったので、自分はセリフを言うのがうまいと思っていたんです。でも実は、セリフの聞き取りづらい部分の出力を上げて調整してくれたり、テストのときの音声と一部だけ入れ替えるといった録音部の方の働きによって、聞きやすくなっているんですよ。それを知ったとき、自分の力だけだと思っていたことを恥じたと同時に、映画によって与えられる感動というのは、本当にたくさんの職人さんの技によって作られているんだということを、改めて実感しました」

最後に、エンターテインメントに関わる俳優としての夢を聞いてみた。

「僕の夢は、自分が死んだ後、50年、100年後にも上映され、なおかつ愛される作品に参加すること。

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