若手たちが“制約”を逆手に取って生み出したホラーゲーム『SILENT HILL』誕生秘話
『SILENT HILL』や『SIREN』など美学を感じるホラーゲームで、世界中のファンを魅了してきた外山圭一郎さん。
外山圭一郎:世界の誰もが怖いと感じる暗闇をゲームのコアに。
――ゲームを作り始めたきっかけを教えてください。
外山圭一郎(以下、外山):僕は1970年生まれで、幼い頃にゲームセンターやテレビゲームが登場し、衝撃を受けた最初の世代。ゲームは大好きでしたが、作り手の世界は雲の上という感じでした。それが、美術系の大学に進学した時、ちょうど日本のゲーム業界が拡大期に入る時期で、大学に大手企業が説明会に来て。ゲーム業界に入る接点があったことを知り、コナミデジタルエンタテインメントに入社しました。そして初めてマッキントッシュを触り、その時にやっと“自分にも何かできるかも”と感じて。
実際にやってみるとゲーム作りは自分に向いていることもわかりました。
――『SILENT HILL』を作り始めたのが26歳の時です。
外山:当時、『バイオハザード』が大ヒットしたこともあり、ホラー系のアクションアドベンチャーを作ることに。これまでとは違うジャンルなので新しい人にやらせようという方針なのか、入社3年目でディレクターになり、同期か1~2つ下の後輩が集められました。