「期待を裏切ることをいつも考えている」“ノンバイナリー”を公言した女性監督の戦いと支え
―今回は共同脚本ということですが、おふたりでどのように作業されていたのかを教えてください。
アントニアさん私たちは仕事でもプライベートでもパートナーということもあり、以前から1つのことを一緒にすることでお互いの結びつきを強くできたらいいなと考えていました。そこでまずは「ローラの無意識のなかにはどんなことがあるのか?」といったことを中心に探りながらシナリオを書くことにしたのです。そういった流れのなかでキャラクターやストーリーについて考えていったわけですが、私はシナリオライターではないので、方法としては伝統的なシナリオの作り方ではありませんでした。
それよりも自分たちが日々感じていることから自然と何かをくみ取り、新しいものを作っていくような感じだったかなと思います。あと、私が主に担当したのは、自分が演じたオフェリーのセリフや物事の見方について。これまでの俳優としての経験を踏まえたうえで、私のほうが理解できると思ったので、彼女の会話部分は私が中心に手がけました。
アントニアのおかげで自分を見失わずにいられた
―ローラ監督にとって、アントニアさんはどんな存在ですか?
ローラ監督私にとってアントニアは、言わば“灯台の光”。