「期待を裏切ることをいつも考えている」“ノンバイナリー”を公言した女性監督の戦いと支え
といった話をよくしたほどです。そういったこともあって、たとえ死んでしまっても残された人たちのなかでより存在感が増していくような様子を作品のなかでも描きました。
美的感覚が優れている日本文化は“洗練の極み”
―ちなみに、日本に対しても何か興味をお持ちのことはありますか?
ローラ監督日本は美的感覚が優れているので、グラフィックや漫画、ホラー映画などにおいて素晴らしい印象が強いです。そして、日本文化といえば細部にまでこだわっているので、“洗練の極み”だと思っています。あとは、日本の人々が持っている恥じらいの気質も素敵ですよね。
アントニアさん私がフランスやヨーロッパとまったく違うと感じているのは、日本に流れている時間や季節の感覚。そういう部分も私たちにとっては、非常に魅力的なところです。
―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。
ローラ監督女性というのは社会の規範に当てはめられ、周囲からステレオタイプな眼差しで見られがちですが、ジュリアというキャラクターと出会うことで、みなさんにも彼女の自由に生きる力を感じていただけると期待しています。そして、人と違うことは決して悲しむべきことでも、悪いことでもありません。