監督引退の可能性も…「仕事から離れてゆっくり休みたい」美しき天才グザヴィエ・ドランが明かす思い
それくらいテレビに対しては大きな愛を持っているし、自分の子ども時代の一部になっていたのです。
少し大人になってからは、HBOの作品を観るようになりましたが、なかでも『シックス・フィート・アンダー』なんかは信じられないほどパワフルだったなと。「あれはオリジナルじゃない」と言う人もいますが、ほかにはない新しさがあり、現代的でもあったので本当に素晴らしい作品だと思います。決して忘れられない存在だし、僕の長年にわたる映画づくりにもインスピレーションを与えてくれている作品です。
―テレビドラマがドランさんのクリエイティビティにここまで深く浸透しているとは思いませんでした。
ドランさん映画がテレビに刺激を与えるように、僕はテレビも映画を触発できると感じています。あくまでもストーリーテリングはどちらも同じであって、映画とテレビでは方法やフォーマットが違うだけ。『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』はテレビということもあり、そこに付随するルールがあるのもわかっていたので、今回は映画的なアプローチは一切しませんでした。
といっても、「監督をする」という意味では、映画なのかテレビなのかは特に関係ありません。