花火は高く上がれば上がるほど縁起がよい!? 夏の行事の由来と意味を解説
【土用丑の日】“う”のつく食べ物で精をつけよう。
“土用丑の日”に鰻が売れる裏にも、夏を乗り切る知恵があった。「陰陽五行説の暦では、各季節の終わりに土の属性を持つ“土用”の期間があります。丑の日は、十二支を利用した暦に由来します。夏終盤の土用はバテる人が多いこと、丑の日は“う”のつく食べ物が吉とされたことに目をつけ、江戸時代の学者である平賀源内と鰻屋さんがタッグを組んで広告を打った。これが、土用丑の日に鰻を食べる習慣の起源だといわれています」
【花火】星になった祖霊を楽しませるために。
花火も盆踊りと同じく“盂蘭盆会”に関係があるという。「昔の人々は、火に特別な力があると信じていました。そこで盂蘭盆会では、祖先の霊をお迎えするときに“迎え火”を、送り返すときに“送り火”をともします。お盆の始めに作ったキュウリやナスの乗り物を燃やす行事や、山を焼く“大文字焼き”、灯りをともした灯籠を流す“灯籠流し”も送り火の一種。そしてお盆の花火も、送り火から派生したものだと考えられています。人間は死んだあと星になるという信仰があったため、先祖の霊により近い場所で花火を喜んでもらおうと、空高く打ち上げられるようになったとか。