兼近大樹「自己と向き合うことを続けていれば、自己肯定感なんて言葉が気にならなくなる」
――自己肯定感に置き換えても、そうかもしれませんね。
そうです。自己肯定感が高い人って、ただ憧れの存在なだけ。毎日のように「私はハッピー!」って言ってる人よりも「うまくいかねぇな…」って呟いている人のほうが、みんな気になりますよね。
――とはいえ、自己肯定感が低いと思っている人の多くは、ネガティブな発想になりがちな気もします。どうすればいいのでしょう。
“自己肯定感”って言葉を使わなくてもいいんじゃない?それよりも、自分がどういう人間かを理解することが大事。みんな、自分との対話が足りていないと思うんですよね。
自分探しの旅に出てないで、鏡見て自分のことをまず知っとけって。自分は探さなくてもここにいるんだから。具体的には、小さい頃からこういうこと言われて嫌だったとか嬉しかったとか、だから私は求められるたびにこういうことしちゃうんだとか自己分析してみること。そういうふうに自分の幼少期から掘り返して見直しながら、自分のことを知っていくうちに、自己肯定感が高いとか低いとかどうでもよくなると思います。自分はこうなんだ、でもあの人はあの人でこうなんだ、って思えるようになる。そもそも、自分のことを知らないと“自己肯定感”を言い訳にして、人の気持ちも理解できないんじゃないかって思うんです。