現在の肝はインド。最近ニュースでよく耳にする“グローバルサウス”とは?
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「グローバルサウス」です。
世界勢力の変化に応じ微妙に違いが。現在の肝はインド。
最近、ニュースでよく耳にする「グローバルサウス」という言葉ですが、使い方によって、示す地域や意味合いが変化するようになってきました。
これまでは、先進国の集中する「グローバルノース(north/北)」に対してのサウス(south/南)。主にアフリカなど、植民地政策にも遭い、貧困や飢餓などさまざまな課題を抱える開発途上国。先進国はこれらの地域へ投資を強めていくことが必要だという文脈で、よく使われてきました。
また、北半球に民主主義の大国が多いことから、それらの国々に対して、地理的には南半球ではなくても独自外交で権威主義的な国々を「グローバルサウス」と呼ぶこともあります。その場合は、インドやタイ、カンボジアなど東南アジアや中南米が含まれます。西側の自由主義国とは違うという意味合いです。
もう一つには、ロシアや中国、旧東側でもなく、アメリカや欧州の西側陣営でもない第三の陣営という枠組みで「グローバルサウス」