伝説的な色彩論の授業も体験できる!? ジョセフ・アルバースの日本初の回顧展
境界線がはっきり見えたり、曖昧に見えたり。より鮮やかに見えることもあれば、くすんで見えることも。そうした色の相互作用を理論でなく実際に経験するのがアルバースの授業の真骨頂だ。こうした経験が学生たちの才能を開花させる礎となったことは想像に難くない。
「今回、展示室にはアルバースの授業課題を体験できるワークショップ・スペースを設置しています。学生を熱中させた課題に実際に取り組むことで、アルバースの教育をより深く知っていただきたいですね」
会場にはアルバースの代表作である《正方形讃歌》のほか、集大成である版画集《フォーミュレーション:アーティキュレーション》から15点を展示。授業を通じて学生と共に深めたアルバース自身の探究がどう作品に結実しているかも見逃せない。
図版1.リーフ・スタディ I 1940年頃
ブラックマウンテン・カレッジ近隣で採集した紅葉を使って。
多様な明暗を持つ紅葉は授業の格好の題材に。
図版2.スタッキング・テーブル 1927年頃
バウハウスでは造形のための基礎演習を担当。ガラス画工房や家具工房でも教え、家具、食器などのデザインも手掛けた。
図版3.イェール大学で色彩の授業を行うアルバースと学生 1952年撮影者不詳 Courtesy of the Josef and Anni Albers Foundation
「理論より実践が先」