立石俊樹「テニミュで初めて舞台を経験して、お芝居として歌うことの魅力に気づいた」
とはいえ、最初の頃は舞台に出ることが怖かったという。
「僕が演じていたのが病気を抱えている役で、出番自体が少なかったんです。だから出るときには、そこまでの彼の背景がお客さんに伝わるようなものを持って出なきゃいけない。しかもそれがチームメイトにも影響を与えていくキャラクターでしたので、初舞台の自分にはとても難しかったです。覚えているのは、当時の演出助手の方に、僕が歌い始めるとショーみたいに見えると言われたこと。今までアーティストとして歌と向き合ってきたけれど、ミュージカルは向き合い方が違うんだと気がついて、セリフの延長線上で歌うことを意識するようになりました。ただ、ようやく自分の中で基本ができるようになったかなと思えたのは、テニミュ、『A3!』『黒執事』…いろんな作品を経験させていただいてからですね」
その後、自身初の海外ミュージカル作品となった『ロミオ&ジュリエット』で、従妹のジュリエットに想いを寄せ、ロミオに憎悪を募らせるティボルトに抜擢される。「前々からマネージャーに、オーディションがあったら受けたいと伝えていたので、決まったときは本当に嬉しかったです。
ティボルトは、これまであまりやったことがない激しくて強い役で、登場した瞬間から圧倒的な存在感を放つので、すごくハードルが高く、学ぶことが多かったです。