玉城ティナ「私の仕事と共通する部分も」 カリスマ・インフルエンサーを演じる
そういう誰にも説明できない危うさがミト自身の危うさともリンクして、この作品の世界観をより深めているのではないでしょうか」
心がけたのは、観る人がどのようにも意味づけや解釈ができる表情で演じること。例えば特徴的なのは、ミトの顔を世界中に拡散する“ディープ・フェイク”アプリを使うかどうかの決断を迫られるシーン。
「『いいんじゃない?』というミトの返答は、『なんでもいいんじゃない?』の意味に近いもので、本当にいいとは思っていない。観る人によっては破滅の道を選んだと思う人もいれば、面白そうとか新しいと思う人もいるかもしれませんが、私はどっちに捉えられてもいいと思っています。また、妹のミホ(湯川ひな)も本当は姉妹ではなくただの同居人かもしれないし、なんならミトがミホかもしれない。関係性を明言しないとか、あえてミトの本心や感情をどっちつかずに見せている表情やシーンはたくさんあるので、一回観て理解するのは難しいかもしれません。ただどれだけ理解していただいても、理解できないと拒絶されても、いいと思っていて。現代に生きる、ある普遍的な女性の物語にすぎず、いろいろな話をしながら観て、宮崎大祐監督の今までにない映像表現に、驚いてもらえたら嬉しいです」