夏帆、『いつぞやは』は「セリフの複雑なニュアンスを汲み取って表現していくことが求められる」
すごく共感するけれど、簡単に言葉にしちゃいけないような…そんな気がするんです」
まさにその、明確な言葉では説明できないような複雑で繊細な感情を描いていくのが、加藤作品の魅力。
「そこに書かれているセリフと、思っていることとが裏腹な場面がたくさんあって、そのまま素直にセリフを言ってもダメだったりするんですよね。セリフ自体が砕けたものだけに、サラッと口にしてしまうと、大事なことまで流れていってしまう。言葉の裏にある気持ちが複雑に絡み合って進んでいく話なので、セリフの複雑なニュアンスを汲み取って表現していくことが求められるというか。まだ今の私は、他の方のお芝居を見ながらそこを、こういうことなのかなって探っている段階ですね」
夏帆さんといえば、話題を呼んだドラマ『ブラッシュアップライフ』での、安藤サクラさん、木南晴夏さんとのリアルな“あるある”満載の生っぽいお芝居が記憶に残る。
「頭で考えてそこに辿り着くというより、現場で相手の俳優さんとやり取りしながら徐々に役ができていくことが多いんですよね。人って、他人との会話や関係性の中で、キャラクターというものが出来上がってくるものだと思いますし。