くらし情報『ティモンディ・前田裕太「全読者が1000%裏切られる」 話題のSF小説『三体』の魅力を語る』

ティモンディ・前田裕太「全読者が1000%裏切られる」 話題のSF小説『三体』の魅力を語る

日本のSF黄金世代の源流を濃縮し、劉慈欣先生の味付けをした、エンターテインメントの原液みたいなものが『三体』ではないでしょうか。

――内容や言葉が難解で、途中で止まっているという人も少なくありません。前田さんはどのようにして読んでいったのでしょう?

結構、いろいろな部分を読み飛ばしながら読みましたね。科学的な部分は本当に何を言っているかわからないところも多く、最初は理解しようと頑張って調べたりもしましたが、個人的には“調べたとて…”くらいだったんです。何度も繰り返し読んでいますが、ちゃんと理解している理論は2割くらいしかないし、それでもめちゃくちゃ楽しめます。難解な部分は、物語の展開に根拠や裏付けがあるよ、適当なことを言っているわけじゃないよ、と伝える時間だと考えています。思っているよりも適当に読んでいいと思いますよ。翻訳をしている大森望先生ですら、「読み飛ばしてますよ」と言っていますから(笑)。
登場人物たちの名前も難しいと感じるかもしれませんが、極論を言うと、物語が壮大すぎて一回しか名前の出てこない人もたくさんいます。そういう人は“誰だっけ?”のままでよく、“よく出てくるな”という人だけ覚えておけばいいのかなと。

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