101歳の現役染色家・柚木沙弥郎の作品展。創作に影響を与えた“仲間”にもフォーカス
焼舩木窯の5代目で、柚木と親交を深めたひとり。英国の伝統的な技法に倣った舩木の動物文様の作品は、スポイトを使って描かれることでも有名。また柳宗悦唯一の内弟子であった工芸家の鈴木は、柚木に民藝の本意を伝え、それは柚木の創作に大きな影響を与えた。
誰にとっても想いを分かち合える仲間の存在は大きい。柚木はその後、師匠が主宰した「萌木会」の活動にも精力的に取り組むように。萌木会が制作した浴衣は「萌木浴衣」と呼ばれ広く支持を集めた。芹沢は当時人気を博していたテキスタイルデザインに負けるな、とメンバーを叱咤激励したとか。彼らはそんな固い結束力のチームでもあった。
そんな彼らが切磋琢磨して作り上げた作品は、どれも創作を楽しんでいる様子が伝わる名作ばかり。改めて「成長する人の陰に、いいライバルあり」は事実だと納得させられる。
切磋琢磨した仲間たちとの日々。
芹沢に弟子入りする契機となった型染カレンダーに、武内晴二郎や舩木研兒、鈴木繁男の作品も紹介。民藝作家の個性にも注目したい。
《注染水玉文布》柚木沙弥郎 1950年代 510.0×91.0cm(部分)日本民藝館蔵
《黄釉鳥文鉢》舩木研兒 1952年頃 11.5×40.0cm 日本民藝館蔵
生活を彩る柚木作品。