ナチス戦犯・アイヒマンの火葬に関わった少年とは何者か…明かされる極秘計画の真相【映画】
それよりも僕としては、アイヒマンが影響を及ぼした人たちのほうに関心を抱いていました。何か大きな事件を題材にするときは、その本人よりも、そこに関わっている人たちを描いたほうが観客もより共感できるものです。今回は、当時まだ若かったイスラエルという国の人々にどんな影響を与えていたのかをフィクションを交えて見せたいと考えました。
日本の好きなところを語り出したらきりがない
―まもなく公開を迎える日本に対しては、どのような印象をお持ちですか?
監督すごく前に一度だけ行ったことがありますが、また訪れたいなとずっと思っています。日本文化の好きなところを語り出したらきりがないですが、まずはやはり映画ですね。自分のなかでも、小津安二郎監督、成瀬巳喜男監督、小林正樹監督、黒澤明監督は基盤となっています。特に、小津監督の『晩春』ほど傑出した作品はないのではないかと感じているほど。僕の10歳になる娘も、原節子さんの大ファンです。
原さんはすでに引退されていましたが、亡くなる前に彼女を短編で撮れたらいいなと夢のまた夢として思い描いていたこともあったので、それを娘に見せられたらよかったですね。いつか小津監督のお墓にも行ってみたいですが、大好きな日本映画が作られた場所をいろいろと巡ってみたいなと思っています。