くらし情報『“モード界の帝王”の足跡をたどる! イヴ・サンローランの日本初大回顧展』

“モード界の帝王”の足跡をたどる! イヴ・サンローランの日本初大回顧展

1961年に彼は自身のオートクチュールメゾン「イヴ・サンローラン」を設立。翌年に発表されたコレクションでは、船乗りの作業着に着想を得たピーコートなどを発表し、大きな注目と称賛を浴びた。以来、彼は美術作品や舞台芸術、そして日本にも影響を受けながら独自のスタイルを確立。モード界を席巻し続けた。

全12章で構成された本展の中でも、特に注目したいのはサンローランの代名詞的存在となったマスキュリンスタイルだ。彼はタキシードやジャンプスーツ、サファリ・ルック、トレンチコートなど紳士服をヒントに、その快適さ、実用性を兼ね備えつつ、シンプルで優雅な女性らしいシルエットを生み出していった。

単なる流行の服ではなく、当時の社会問題までも糧に、美しい作品へと昇華させてしまうのがイヴ・サンローランの先進性。服装によるジェンダー問題が叫ばれる現代だからこそ、なぜ今、彼の仕事が見直されているのか、本展を見ればよくわかる。


【Check 1】紳士服からヒントを得た、新たな女性服のスタイル。
イヴ・サンローランは、1960年代にパンツスタイルを自身のデザインに積極的に取り入れた。当時パンツスタイルはまだ男性のものという認識が根強かったが、服装が持つジェンダー意識を超越してデザインすることで、時代が求める新たな女性らしさ、エレガンスを生み出した。

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