“モード界の帝王”の足跡をたどる! イヴ・サンローランの日本初大回顧展
この頃、彼がプレタポルテ(既製服)へ参入したこともあり、サンローランが提案したスタイルは急速に拡大。他にもピーコート、パンツスーツ、トレンチコート、タキシードなど、紳士服を女性向けに改良したほか、ボーダーや紺のブレザー、ネイビールックなども女性らしくアレンジ。現代ではすっかり女性の定番アイテムとなっているこれらの服は、サンローランの普遍性を物語っている。
ファースト・サファリ・ジャケット
1968年春夏オートクチュールコレクション©Yves Saint Laurent©Sophie Carre
イヴニング・アンサンブル
1984年秋冬オートクチュールコレクション©Yves Saint Laurent©Nicolas Matheus
【Check 2】芸術、歴史への愛を反映したルック。
イヴ・サンローランはモンドリアン・ルックに代表されるような美術作品とファッションの融合を提案することで、伝統的なオートクチュールモードの世界に新風を吹き込んだ。また彼は読書や美術品の収集によって想像し、モロッコ、アフリカ、ロシア、スペイン、アジアなど遠い土地のイメージをデザインに織り込む。鮮やかな色彩や独特な形で表現された異国情緒は、サンローラン作品にとって不可欠な要素となっていった。