『テルマエ・ロマエ』主人公ルシウスが案内人に! 「テルマエ展」の見どころは?
“テルマエ”とは「熱い」という意味のギリシャ語「テルモス」に由来する言葉。狭義には古代ローマの皇帝らによって建設された大規模公共浴場を、広義には古代ローマの公共浴場全体を指す言葉だ。4世紀に記された2種類の『ローマ市総覧』によれば、当時ローマ市内には大規模な公共浴場は11軒、小規模な公共浴場は856~951軒もあったというから馴染み深いのもうなずける。
古代ローマ人も日本人も大好きだった風呂の真実に迫る。
©ヤマザキマリ
「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」は、そんなテルマエを愛した古代ローマの人々の生活を、絵画や彫刻、考古資料など100点以上の作品や、映像や模型でひもとくもの。会場では、実写映画化もされたヤマザキマリによる漫画『テルマエ・ロマエ』の主人公ルシウスが案内人となり、古代ローマのテルマエと、日本の入浴文化についても紹介。
そもそも、なぜ古代ローマで公共浴場は広く浸透していたのか?公共浴場はローマ人の発明ではなく、そのルーツは古代ギリシャ発の施設にあった。ただ、それを大衆の娯楽へと発展させたのはローマ人だった。
帝政初期、特権階級と大衆の格差はかつてないほどに広がっていた。