言語能力は2歳時点でかなり差ができている!? 『言語の本質』著者と言葉の謎に迫る
は、悲しみを表す昨今の流行語「ぴえん」に、ゾウの鳴き声のオノマトペ「ぱおん」を対比させて、非常に大きい失意を表している言葉だといいます。私はこれを初めて聞いた時、何のことか全くわからなかったのですが、今では思わず使ってしまいそうな気がするほどです(笑)。
――言葉の変化や、本来の意味と違う使われ方に対して、嘆かわしく思う必要はないのでしょうか。
今井:ある程度、年齢を重ねた人たちにとって、こうした新語は日本語として間違っていると感じられるかもしれません。でも、実は言語の使い方に「間違っている」「合っている」という規定はないのです。ある時代を切り取った時に、その使い方をする人が、どれだけたくさんいるのか。それがマジョリティであれば、新しい言葉は「正しい言葉」として社会に浸透していきます。
――最近、新語から定着しそうな言葉はありますか?
今井:「むずい」ですかね。
私が教えている学生など、若い人たちは「難しい」という言葉を知らないのかと思うくらいに、「むずい」を連発します。「難しい」は長すぎるのかもしれませんね。
秋田:「むずい」もそうですが、ほかにも「痛い」を「イタッ」と言うなど日本語は略す時に2文字だけ残すことがよくあります。