言語能力は2歳時点でかなり差ができている!? 『言語の本質』著者と言葉の謎に迫る
すると、「ピカッ」のようなオノマトペに似てくるのです。オノマトペには、物事の一部分をアイコン的に写し取るという特徴がありますが、本来の言葉を2文字に略すことで、そのアイコン性が見出しやすくなるのではないでしょうか。
――冒頭で、本書が注目されている理由の一つにChatGPTの登場を挙げられていましたが、人間の言語とAIの言語にはどんな違いがあるのかも気になります。
今井:まず、人間の言葉は、ほとんどの場合、感情と結びついているといえるでしょう。例えば、犬や猫という言葉でも、それが好きなのか否かが、言葉の中に含まれている気がします。一方、AIには感情がありません。単なる情報伝達手段というのが、AIの言語です。両者の大きな違いは、そこにあると思います。
人間の言葉が感情と結びついている例として顕著なのは、LINEのようなテキスト主体の媒体では、スタンプや絵文字を使おうとしますよね。それはテキストだけだと、気持ちが伝わりにくいからだと思います。
秋田:私は、AIと子どもの言語の違いについて話したいと思いますが、AIの言語は統計情報なので、すでにある膨大なデータベースをもとに、答えが導き出されていくのが特徴です。