世界が注目するイギリスの新鋭「日本のゲームで培った感覚が映画作りに深く関係している」
の支援によって本作で長編デビューを果たしたトーマス監督。長編初監督ながら見事な演出力と構成力を見せ、映画界でも注目を集めています。そこで、撮影の裏側やタイトルに隠された思い、そして日本から影響を受けていることなどについて語っていただきました。
―今回、美容業界を舞台に映画を撮ろうと思ったのは、なぜですか?
監督母は髪を大事にしていた人なので、髪への情熱は母から受け継いだものだと思います。まだ僕が幼かった頃、怖がりだった僕を母がいつも外に連れ出してくれたのですが、母はなぜか週に1か2回も美容院に行っていたのです。そういったこともあって、僕は美容院で育ったと言えるんじゃないかなと。ファッション雑誌もそこで初めて手に取り、おかげでファッションに興味を持つようにもなりました。
その後、アートや文学、映画といった世界に触れていくなかで気が付いたのは、そこにあるヒエラルキーは美容の世界にも同じようなものがあるということ。
そこから、どんどん自分の目が開かれていくようになり、映画として描きたいと思うようになりました。
女性が引っ張っていく物語を作りたかった
―『メドゥーサ デラックス』というタイトルには、どういった意味が込められているのでしょうか。