オダギリジョー、『サタデー・フィクション』監督に「白黒のほうがいい」と伝えた理由
上海を舞台に、太平洋戦争開戦までの7日間を描く映画『サタデー・フィクション』。オダギリジョーさんは、日本海軍の暗号通信の専門家・古谷三郎を演じた。スパイ活動を行いながらも、亡き妻を想う人間味あるキャラクターだ。
世界的巨匠のモノクロの映像美に浸れるスパイ映画。
「役をどう解釈して、表現したのか…そうしたことを言葉にするのが恥ずかしくて。事前にロウ・イエ監督と打ち合わせを重ねていたので、そうした中で役が濃縮されていったんだろうし、現場ではそのイメージに血を通わせていく作業だったんだと思います」
現場に入るまでの準備段階が重要であり、楽しいとも。
「あらかじめ役や脚本の疑問点を潰しておかないと、現場で大きな問題になったり、撮影を止めてしまうこともありえますからね。オファーをいただいた時に、そのあたりがクリアにならないならお受けできないとハッキリ伝えるようにしています。
この作品では、最後まで議論を重ねたシーンがあり、監督からの依頼で台本の一部を僕が書き直したこともありました。そうした監督と俳優を超えたモノ作りに、僕は楽しさを感じています」
世界的に評価の高いロウ・イエ監督の撮影は独特で、複数のカメラで5~6シーンを連続で撮り、10回、20回とテイクを重ねるそう。