同性愛で逮捕された芸術家の真実…イタリアの名優が訴える「疑問を抱くきっかけになってほしい」
というのも、今回日本に来る飛行機のなかで、カニとサルが出てくる日本の本を読み、「もしかしたら日本の読者のほうが僕の物語を受け入れてくれるのではないだろうか?」と感じたからです。しかも、日本には僕を応援してくださるファンも多いと聞いているので、そういう夢をいつか実現したいと考えています。
インタビューを終えてみて…。
物腰が柔らかく、紳士的なルイジさん。日本に対してシンパシーを感じてくださっているようでしたが、俳優としてだけでなく、作家としても素晴らしい作品を日本に届けてくださるのを楽しみにしたいと思います。まずは、本作で見せる魂のこもった演技をぜひご覧ください。
多様性が叫ばれている時代だからこそ観るべき!
いまだになくなることのない差別と偏見のなかで生きる私たちにとって、「人間の尊厳とは何か」を考え直すきっかけを与えてくれる本作。過酷な時代に社会の不寛容さと立ち向かい、愛のために戦い続けた人たちの姿にも心を揺さぶられる1本です。
写真・安田光優(ルイジ・ロ・カーショ)取材、文・志村昌美
ストーリー
1959年春、詩人で劇作家で蟻の生態研究者でもあるアルド・ブライバンティは、イタリア・エミリア州ピアチェンツァで芸術サークルを主催していた。