同性愛で逮捕された芸術家の真実…イタリアの名優が訴える「疑問を抱くきっかけになってほしい」
しかも、それが法の力によって行われていたので、そこを明らかにすることにも意味があったのです。
―そのあたりは現代にも通じるものがあると感じました。
ルイジさんそうですね。だからこそ、イタリアから遠く離れた日本のみなさんがこの映画を観て何を学び、どう思うのかということに興味を持っています。ただ、僕たち表現者は、観客の方々に何かを教えようとしているわけではありません。僕たちが届けたいのは、あくまでもエモーション。とはいえ、人が感動を覚えるときというのは、自分と何かしらの関わりを感じたときであって、自分とまったく関係のないものにはなかなか感動することができないものなんですよ。
何について感動したかを考える必要がある
―確かにそうかもしれませんね。
ルイジさんでも、もしこの作品を観て感動したのであれば、「何に感動したのか?」については考えてみる必要があると思っています。そうすれば、「自分もこんなふうに他人から扱われたことがある」とか「自分に偏見はないと思っていたけど実はそうではなかった」といったことに気が付くのではないでしょうか。
たとえば、「同性愛に偏見はない」という方でも「もし自分の息子が同性愛だったらちょっと残念に思うかな」