『演劇ドラフトグランプリ』開催! 荒牧慶彦「演劇はお客さんに観てもらって初めて完成する」
俳優をやろうと決めてから、ドラマ、舞台、映画といろいろな現場で気づきをもらいながら、少しずつ演じることを学んでいる感覚です。なかでもとくに発見が多かったのが、今年出演した舞台『キングダム』の現場。共演者はそれこそ“演劇”のど真ん中にいるような方々ばかりで、舞台に登場した瞬間に観客を引き込んでいく力と、その見せ方がすごかったんです。でも同時に、僕が同じことをしても意味がないとも思いました。みなさんそれぞれが歩いてきた道の中で自分はこれだというものを見つけて、それを貫き通してきて身につけたもの。僕も自分なりのものを見つけていきたいです。
今、僕が重視しているのは、いかにナチュラルに見せるかということ。お芝居は“嘘”ですが、お客さんに見せる上で、嘘にならないようにしたいんです。
どんなに自分が役の気持ちに寄り添えても、お客さんに伝わらなければ意味はなくて。作品での自分の立ち位置を理解して、役柄の背景をどう落とし込んだらナチュラルに見えるかを考える。必ずしも毎回100%やれるわけじゃないけれど、ときには想像の120%できる瞬間もあって。お芝居って、わからないなとも思うし、面白いなとも思うんですよね。