「宮崎駿監督と高畑勲監督との時間は素晴らしかった」ブラジルの注目アニメーターが語る日本からの影響
一番は音が気に入ったというのがありますが、この言葉を聞いたときにみなさんが「なんだろう?」と思えるようなオープンな言葉でもあると思ったので、それで決めました。
問題に対して目をつぶることはできない
―確かに、日本人の私たちにとっても、気になる言葉ですし、劇中で意味を明確にしていない部分も含めて想像力をかき立てられます。
監督まさにそれがこの映画のコンセプトでもあります。
―では、主人公のクラエとブルーオのキャラクター造形については、どのようにして誕生したのかをお聞かせください。
監督最初に浮かんだのは、クラエのイメージ。衣装を身に付けていて、お化粧をしている男の子が森と水のあるところから出てくる様子が自分のなかに湧いてきました。そのあとに、ブルーオのキャラクターを思い付いたので、そこから彼らの関係性を考えることに。そして、2人のことをいつも見守っている第三の存在というのを作り上げていくうちに、今回のような物語になりました。
―なるほど。「本作ではエコロジーのメッセージを強調しているわけではない」とのことですが、それでもご自身のなかで森林伐採や先住民の問題への危機感が高まっていたからこそ、こういった作品になったのではないかなと。